親権をとりたい

Q 夫との間で,離婚は合意しているのですが,子供の親権を互いが譲りません。私は親権はとれるのでしょうか?

A 夫婦で合意できない場合,最終的には離婚訴訟の結果で親権者が決まります。ポイントは下記のとおりです。

 

【抽象的なポイント】
◆母性優先。乳幼児については母親(的な存在)優先

◆継続性。現況を優先

◆子の意思。小学校高学年くらいになるとかなり重視

◆きょうだい不分離。きょうだいは分離しないように配慮

 

あとは,監護者の健康状態,補助者の有無などが考慮されます。

 

最近では,「母性優先」といっても,父親に適当な養育補助者がいる場合やもともと父親が監護している場合は,母性優先原則適用には慎重な意見もあります(秋武憲一 「離婚調停離婚訴訟」)。

 

いずれにせよ,「子供を現時点で実際監護している方が格段に有利」です。

ただし,子供を別居中の相手から実力で奪還したりすると,それ自体が裁判で不利に斟酌されうるので,奪還は全く推奨できません(犯罪になる可能性もあります)。

 

【具体的なポイント】

◆監護実績(食事,入浴,遊び,学習,しつけなどを一緒にしていたか)

◆補助者の監護体制(職業,年齢,健康状態)

◆仕事のスケジュール(残業や出張などで監護に関与できるか。子の急な発熱などで対応できるか)

◆子供の部屋等の状況(年齢に応じた玩具や絵本,衛生状況,火傷や転倒を防ぐフェンスなど安全面)

◆監護意欲(子供をほったらかして遊んでいないか,子の病気への対応)

◆面会交流への寛容性(「相手には会わせない!!」という態度は不適切)

◆最低限の経済力。ただし養育費の支払で補完されうる

◆子の意向(発言の文脈や非言語情報含む)。特に10歳以降重視

 

いずれも,家庭裁判所調査官という専門の裁判所職員が家庭訪問や面接を行なって実際の監護状況等をチェックし,裁判官に報告を行ない,それをもとに判決が下ります。

 

【必要資料】

通知票,保育園との連絡帳,母子手帳,診断書,給与明細,家の間取り図

 

【対策】

①子供の部屋を整え,監護に関与できる時間帯に帰宅し,子育てに関与しましょう。

②相手が監護者として不適格である具体的な証拠(子供を置いて夜遊び,本人または親に病気があるとか),メールや写真,メモ,診察券などを,同居中に保管しておきましょう。

③現状,子供を監護している方は,時間が経過すればするほど親権をとれる確率が高まります。逆に子供を監護していない場合は,早めに裁判所で手続をとりましょう。勝ち目が時間とともになくなります。

 

【弁護士費用についてのコメント】

離婚訴訟と共にご依頼される場合は,着手金30万,報酬金30万くらいが多いと思われます。親権が決まった後のその変更申立てや,離婚前の監護者の変更の申立ては,着手金報酬金ともに20万前後くらいが多いのではないでしょうか。