「プラナヤーマとは,プラナをコントロールする技術」である【⑥本山博72頁】。中心となるのは,呼吸というより,その間のクンバカつまり保息である。
「調気とは呼息と吸息の流れを絶ちきることである」【②佐保田111頁】
特に第4の調気について,解釈の相違がみられる。
【③メーレ174頁】
「第4のプラーナヤーマは,技法というよりむしろ性質上の用語である。真のアーサナと同様に,努力しなくても生じる真のプラーナヤーマなのである。この前の3つの技法は,第4のプラーナヤーマに続くための道である」
【④サッチダナンダ264頁】
「プラーナヤーマの4つ目のタイプは,自動的に起こる。そこでは,ある対象または観念に心を集中させるだけで自然に息が止まるので,意識的に保息する必要がない。これは,”ケーヴァラ・クンバカ”とも呼ばれる無作為の楽な保息で,瞑想が深まると自然に起こる」
【⑦ヴィディヤーランカール132頁】
「心が完全に静かになると,呼吸の進行過程が,まるで,身体と頭脳にとって必要なことを行うために,それ自体が知性を用いていると行者が感じられるようになります。呼吸がどこかでしばらく停止したままになることも起きます」
【私見】
「呼吸をとめよう,鎮めよう」などと努力すれば,それ自体が心の波をひき起こす。楽な姿勢をとり,自然に呼吸が停止することが理想のプラーナヤーマであろう。準備段階として,意識的に呼吸を止める方法つまり第1~3の(準備的)プラーナヤーマが用いられると解釈する。