書籍の話 総論

民事訴訟の成果の三分の一は、的確な法律の知識を持っているかで決まる。的確な法律知識は良質な書籍から得るが、法律の書籍には明確かつ暗黙の序列がある。判例タイムズの論文と裁判官の書いた本が序列の最高峰であり、そこに記載されていることが真の日本の法律である。

裁判官は裁判官執筆書籍を参照して裁判するので、弁護士側もそれを読まないと話にならない。学者や弁護士が書いた本を頑張って読んでも意味をなさない(裁判官が無視するので通用しない)。米国法では成文法以外にも法源があるが、まさに日本では裁判官執筆の論文または書籍(判事補執筆部分を除く)が法源であり、これを読まないのは法律を知らないに等しい。
これら本の序列は、岡口基一氏の要件事実マニュアルや、裁判官執筆書籍の参考文献欄をみれば概ね分かる。しかし、景品表示法、独占禁止法や契約書審査など訴訟外の行動が主となる分野の書籍には言及がないため、訴訟に直結しない分野は、使える本と使えない本の区別が難しい。そこで、自分のために、備忘として、書籍のランクづけを行う次第である。なお,
①学者が執筆者に混じっている場合,基本的にダメ本である。
②弁護士執筆本は玉石混合だが,裁判官執筆書籍が参照されていない場合,及び文章が整理されていない場合は,確実にダメ本である。版を重ねていても容赦なくダメ本である。
③出版社が,青林書院、日本加除出版、商事法務の場合,良質本であることが推定される。
なお、民事訴訟の成果の残りの三分の一は、提訴前または答弁書の段階で、いかに要件事実を掘り下げて具体化しておくかで決まる。
残りの三分の一は、書証から判明する手堅い間接事実と自白事実(供述証拠は完全に無視する)から、掘り下げた後の要件事実を認定できるか保守的に検証する能力による。保守的にというのは、地裁の裁判官は高裁による取り消しを恐れて保守的な認定をするからである。高裁となると、最終事実審のため、突っ込んだ認定、例えば「契約書とは違う内容の合意をした」というような変則にも対応してくれることがある。

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