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そのポーズって,正しいの?

 

ヨガ・ボディ: ポーズ練習の起源 単行本(ソフトカバー) – 2014/9/30

マーク・シングルトン (著)を買いました。

 

当初,怪しい浮浪者,無法者的な扱いだったヨギ,ヨガが,クリシュナマシャリア・パタビジョイス氏・アイアンガー氏によって,国際的なヨガになっていく過程が検証されています。

 ヨガの歴史を知る,というのは,いっけん,つまらなそうなお題ではありますが,ヨガの上達につながるので,この本,買ってよかったと思います。たとえば。

 

 

ヨガをやっていて,たまに先生にアジャストされて,思う。

 

「そのアジャストで,正しいのか?だとすれば,なぜ?」

(+_+)

 

ウォーリア1で,骨盤を立てろと指導者に言われたことがあるが,立てるのが正しく,斜めだとバツというのは誰が決めるのだろう。

 

タダアーサナは,アシュタンガでは足を閉じるよう指導される。

 

が,例えば,「ヨガのポーズの意味と理論がわかる本 ~ヨガの古典とインド哲学に学ぶチャクラ理論とアーユルヴェーダ」西川 眞知子  (著)の40頁では,足は軽く開く,と書いてある。

人間の骨格としても,足を閉じてたつ,というのはかなり不自然な姿勢であるが,アシュタンガ式は正しいのだろうか?それとも,あえて不自然な姿勢を保つことによって,何らかの効果が生まれるのだろうか。

 

 

 

「ヨガ・ボディ」によれば,アシュタンガヨガの権威,パタビジョイス氏の師匠,クリシュナマシャリア氏は,マイソールのマハラジャに雇用され,ヨガを広めるために,ショー的なヨガをやっていたという。つまり,見てて面白かったり,美意識を刺激されるような,シークエンスの連続である。「ヨガ・ボディ」の著者は,ウジャイ呼吸も見ている人間に分かるように取り入れられたのかもしれない,とすら述べている。5呼吸カウントする,というのも,それくらいなら観客が飽きない,という観点から決まったのかもしれないらしいのだ。

 

 実際,「聖なる呼吸」というヨガ映画には,マハラジャの前で,ヨガのポーズを次々に披露する映像が残されている。

 

ハタヨーガプラディピカー,シヴァサンヒター,ゲーランダサンヒター,ゴーラクシャシャカタンといったハタヨガ系の経典には,記述の中心は体の浄化法やクンバカ,瞑想であって,そもそも立位のポーズがほとんど掲載されていない(木のポーズとガルーダくらいしかない)。まして,太陽礼拝なんて,影も形もない。

 むしろ,身体を浄化し,クンバカ,つまり,代謝を下げて,息を止め,瞑想に入るのがハタヨガの基本ステップである。前提として,おそらく内臓の調子を整えるため,身体を捻ったりする。

 

それなのに,現代の「ヨガ」では,太陽礼拝をくり返し,ダウンドックから足を振り上げたり,そこからランジになってポーズを連続させるのが「ヴィンヤサ」などと呼ばれ,アシュタンガヨガに至ってはジャンプバックやジャンプスルーといったジャンプする動きすらシークエンスに入っており,とても体操的なものになっている。

 

「ヨガ・ボディ」によれば,クリシュナマシャリア氏自身,「ポーズを3分間とれるようになりなさい」と言ったとされるし,フィニッシングシークエンスではアシュタンガヨガでも5呼吸以上のキープが行われる。

 現在のアシュタンガヨガは,ヨガに興味を持たせるためにクリシュナマシャリア氏が工夫して運動的な要素を取り入れたものにすぎず,本来の彼のヨガも,長時間動かないこと,呼吸を乱さないことがむしろ奨励されているのではないか?

われわれは,大衆に興味を持たせるためのヨガのさわりに触れているだけなのではないか?

 

グイグイ太陽礼拝とそこからの変化をやって,代謝を高め,ダイエットをうたい,様々な,古典に全く記されていないポーズを60分間,20も30もとり続ける・・・・これはヨガの逆をいっているのではないか?ヨガの上達とは,柔軟性の向上でもなく肺活量の増大でもなく,クンバカの時間の長さなのではないか?

 

 

 ぐいぐい動くのは楽しいし,動いた後は,動こうという気がなくなるので,身体が静まりやすいという面は絶対にあると思う。エアロビだろうが,バレエだろうが,太極拳だろうが,やりたい人はやればいい。

 ただし,誰かにヨガを指導するということになった場合,何が正しい方向なのか,というのは,きちんとした基準が欲しいところだ。こんなことを考えるのは,わたしが法律家だからだろうか?

 

 

弁護士 戸川 瑛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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