キープボトルの強制執行

本を読んでいると,面白い記述がありました。

「飲食店の建物明渡し事件で,顧客のキープボトルがあった場合,どう処分すればいいか」

(執行官事務に関する協議要録第4版229頁より)

法律家ってよ~厳密だよなあああ。

いざ,訴訟に勝って,明渡しの時になってよおおお。
「あ,訴訟の被告となっていない人の所有物がある!」なんて,気にしなくちゃならないなんてよおおおお。
(`Д´)



キープボトルを手にして,処分につき考えこんでいる執行官さん(明渡し担当の裁判所の職員みたいなもの)を想像すると,笑えてきます。


本の回答。
「債務者がひきとらなければ執行官が保管し,あるいは売却して代金を供託」
ここでも,執行官室にキープボトルが並べられている様子を想像すると,笑えてきます。
キープボトルを一生懸命売却している執行官さんを想像しても笑えてきます。
ヽ(´▽`)/



一応,解説しておきます。


法律は,完璧個人主義なので。
Aさんを訴えて,強制執行できるのはAさん相手のみが原則です。
Aさんに金払えという判決ならAさんの財産にしか強制執行できない。
Aさんに出てけという判決ならAさんを立ち退かせることしかできない。
これが原則。


例外として,建物明渡し請求の場合,A(夫)さんを訴えて,Aさんの妻Bと子供Cを立ち退かせることは可能ですが。
この原則でいくと,


「飲食店相手の訴訟に勝っても,第三者の顧客のボトルを除去できないのではないか」


という問題意識が生まれてきます。
しかし,そんなこと言っていると永久に明渡し実現できないので,法律によって,第三者の動産でさえも取り除いて売却できることになっています。
かってにキープボトルを売り飛ばされた顧客は,飲食店に損害賠償請求することでキープボトル代を回収することになります。


ということで,あんまりキープボトルしとくと,その飲食店が大家とトラブったときにめんどいよ,というお話。
しかし,法律家って大変だよね。

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いわき:みぎは法律事務所 弁護士 戸川 瑛

 

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